ストライクエニイホエア -Side B-
誰にだって何か腕に覚えがあるはず。 
2011.03.01 Tue 22:25


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飛行機なんかで具合が悪くなった乗客がいたりすると

お客様の中でお医者様はいらっしゃいませんかとCAが呼びかけるシーンにて

さてさて、私は医者ですよ、ちょいと見てしんぜましょう。

颯爽と登場し、処置を施すドクター。ううむ、かっちょいい。

そして僕は医者ではないわけで、ただの電気関係の仕事なだけで

飛行機の中でCAが、お客様の中で電気設備士の方はいらっしゃいませんかと呼びかけることもない。

同じ技術職なのに医者ばかりがもてはやされてジェラる。

僕だって誰だって、人のため、社会のために仕事や何かで貢献しているのにナカナカ日の目を見ることがない。

だけどそんな僕の技術を必要とされるシーンがやってきた。

場所は飛行機の中ではなく、ラーメン屋だけど。

夜のちょいと遅い時間。駅前のカウンターだけの小さなラーメン屋で僕はラーメンを待っている。

6席ほどのカウンター席にはすでにラーメンを美味そうにすすっている先客が二名と

僕より少し先に入ってきて、僕と同じようにラーメン待ちをしている客が一名。

カウンター内ではお湯がグラグラ煮立った胴鍋にラーメンが投下され、

お腹の空いた僕は両手をしゅしゅしゅしゅとこすり合わせて今か今かとラーメン待ち。

そんな中、ぶちんと店内の照明が落ちる。真っ暗の中、ガスの青い火だけが見える。

ありゃま、停電。店員はあわててブレーカーの場所を探す。

バックヤードにブレーカーボックスを見つけカチカチと入り切りするものの電気は復旧しない。

店員は懐中電灯で他にブレーカーはないか探しつつ、店長に電話をするも留守電で焦るばかり。

先客は仕方なく暗闇の中でケータイの灯りを頼りにラーメンを食す。

僕のラーメンも胴鍋の中でグラグラと煮え立つばかり。

外の明かりと目が暗闇に少し慣れてきた僕は、僕のラーメンがすっかり煮え煮えになってしまうなあと思いつつも

電気設備業のハシクレであるわけなんだからここは僕が見て進ぜようではないか、

停電復旧させてしまおうではないかと、自ら「設備屋だから見てあげるよ」と進言。

どうしようどうしようと慌てふためく店員がうるうるの子犬のような瞳で僕を見て

どうかよろしくお願いしますと言うわけで、うんうん、お役に立てるのならばぜひともと

飛行機で呼び出されるドクターの如くがんばっちゃうよ。

バックヤードのブレーカーボックスを確かめる。

どうやらもう一つ大元のブレーカーボックスで電源が落ちているみたい。

配管を辿ると裏口を出たところに大きなブレーカーボックスがじゃじゃんとある。

これだよこれ、こいつがきっと落ちてるんだ。しかしブレーカーボックスには南京錠。

この鍵はどこかにないですかと聞いてみると、やっと電話の繋がったオーナーが

鍵は下駄箱の中にあるわと松山千春の歌詞みたいなことを言うもんだから、探してみるとあったよ鍵。

がちりと鍵を開けると電源の落ちたブレーカー。

バチンと電源を入れると煌々と灯る電気。ぶうんと唸る換気扇の音。電気って大切。

助かりましたありがとうございますと頭を下げる店員に、いえいえたいしたことなないですよとしれっとしつつ

お役に立ててウレシイ。仕事以外に人のために自分が持っている技術を使うことって

ちょいとまた自分が認められたような気がして思わずニンマリ。

さあ、ラーメンを。僕にちょうだい。

あわよくば味玉くらいサービスしてもよくってよ。

仕事じゃないんだから見返りを求めちゃダメだと思いつつ、ちょっとだけそんな事を期待しちゃったけれど

注文通りのラーメン。おいしかったのでした。











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Author: 長谷川シン  
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