ストライクエニイホエア -Side B-
ファインダー越しに見るのがモッタイナイこともたくさんある。 
2010.12.04 Sat 21:59


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12月だけどまだまだ暖かい日が続いている。

でも早朝の冷え込みはずいぶんと厳しくなってきて

布団から出るのに気合を入れないとなかなか出れなくなった。

6時前の空はまだ暗く、ようやく東の空が薄紫色に染まり出す。

すうーっと朝一番の空気を吸い込み、はふーっと息を吐く。白い。

奥歯に染み入る冷たい空気に、大きく伸びをして、そして

ぶるぶるっと雨に濡れた犬のように武者震いをすると

空には白く細い三日月と、煌々と輝く明けの明星、金星がキラリ。

キレイだなあ、このキレイな朝焼けを写真に撮ったらいいかもなあ。

だけど写真に撮るよりかは自分の目で実際にこの美しさを見ていたいなあ。

写真に残すより、僕の儚げな記憶に残していたほうがいいなあ。

ボンヤリと歩く僕の前にはずいぶんと太ったネコが路地をホテホテと横切って行く。

外灯の少ない路地を歩くと、人も車も見当たらない。

今日最初に出会ったのは僕の前を横切って行ったネコ。

自分の足音とダウンジャケットの摺れる音が聞こえる。そういやネコって静かに歩くんだなあ。

オレンジ色に染まりだした空と高層マンションの黒いシルエット。

階段の共用灯が整然と並んで灯り、部屋の明かりはまだ点いているところが少ない。

寝てるなんてモッタイナイ。こんなキレイな朝なのに。

まだぬくぬくと布団の中だなんてウラヤマシー。

うーん、なんだか寒くておしっこがしたくなった。駅のトイレまでガマンガマン。

しーんとした街の中を僕は、かじかむ手をジーンズのポッケに突っ込んで

股間を押さえつつ歩き、そしておならをぶうとする。

静かな朝の街にずいぶんと響いた自分のおならの音にびっくりしつつ

ふと後ろを振り返ると早朝出勤の男女二人が僕から視線を外すようにうつむきながら僕を追い越す。むむ。

朝から股間を押さえつつモジモジしながら歩き、おならをする男が前を歩いていたら

早朝の爽やかさが台無しだよね。ごめんよ。

でも今日はキミ達にとって、きっとよい日になりますよ。

僕もきっといい日でありますように。

朝焼けはキレイだし、僕のおならはいい音だったし、朝焼けに照らされた僕は堂々と歩く。

ぶう。

またおならが出た。

まあいいや。いい朝なんだし、気にしない。僕の後ろには誰もいないんだし。

いるし。






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2010.12.06 13:36 | URL | arumo | 編集
2010.12.06 21:05 | URL | しん | 編集
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Author: 長谷川シン  
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