ストライクエニイホエア -Side B-
クマ先生。 
2010.11.03 Wed 20:21


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中学時代の同窓会に出る。久しぶりにあだ名や呼び捨てで声を掛けられる。

当時15歳だった僕らは45歳になって、それぞれが色んな道を歩んで

顔に30年分の何かがプラスされているんだけれど、それでもあの頃の面影は色濃く残ってる。

そして中身はあの頃のまま。

甲高い声でケタケタ笑うアイツ。シモネタがどぎついアイツ。キレイになったアイツ。

イタズラが過ぎてケーサツの厄介になったアイツ。丸井のカードでオシャレして支払い困難になったアイツ。

そして死んでしまったアイツ。

僕らは昔話と今現在の話を織り交ぜながらお酒を酌み交わす。

みんな変わってないなあと思うけど、誰かが持ってきた卒業アルバムを捲ると、

そこには中学時代の若い僕らのモノクロ写真。

変わってないような気がしたけれど月日はしっかりと流れ、

校舎で共に過ごしてきた彼らとは別々にそれぞれが個々に色んな経験を顔に刻んできたんだなあ。

僕のあだ名を呼ぶ懐かしい声に振り返ると、中学の時の担任の先生がにっこりと笑っている。久しぶりだなあ。

僕らが中学入学と同時に新任でやって来た先生で、まだ当時は若かったけれど

僕ら生徒にとても親身になってくれて、この先生はみんなに愛されていた。

卒業後も集まりには僕らは必ず先生を誘ったし、先生も時間が許す限り遊びに来てくれた。

先生にはよく殴られたり、叩かれたりもしたもんだよねえと、みんなで笑う。

僕らが卒業し、いまだ教師を続けている先生は、僕らの知らない教室で、昔とだいぶ違った教育方針で

教鞭をとっている。

おまえらみたいなワルガキ共を扱うのがとても楽しかったと先生はぼそりと言う。

23時を過ぎる頃、先生は腰を上げて帰る。

店のドアまで送り出し、先生また会いましょうと握手をする。

「うん、今日は呼んでくれてありがとうございました。」

そして先生は僕らに薄くなった頭をぺこりと下げる。

夜道を歩いていく先生の後姿を見つめながら、なんだか切なくなる。

いつも帰り際には「おまえらしっかりしろよ」とか「がんばれよー」とか言ってくれた先生が

ありがとうございましたと頭を下げた姿が頭に焼きつく。

バカでどうしようもない僕らだったけれど、

ようやく先生も僕らを大人として認めてくれたのではないかな。

ちょっと小さくなった先生。髪の毛がだいぶ薄くなってしまった先生。

僕らの成長振りを喜び、そして敬意を表してくれた先生。

30年の歳月が過ぎようとも先生は僕らを上から見守って欲しかったけれど

今度は僕らが誰かを上から見守ってあげなきゃいけないんだなあ。

「おい、次いこーぜ。」

大人になったバカ友が、あの頃のままのセリフを僕に投げかける。






僕も参加する手紙舎ヒバリ写真展「meeting place」

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2010.11.03 20:35 | URL | sakurai | 編集
2010.11.03 21:47 | URL | kou-1 | 編集
2010.11.04 20:51 | URL | しん | 編集
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Author: 長谷川シン  
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