ストライクエニイホエア -Side B-
ヒグラシの声を聴く。 
2010.07.31 Sat 13:31


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仕事が終わり、借りていた機材を返しに行く。

ワゴン車ごと借りていた僕に駅まで送って行くよと言ってくれた仕事仲間の親切を

丁重に断って、僕は近くのバス停まで歩く。小雨。

少し山の上のほうにあるこの場所は幹線道路沿いではあるけれど

片側一車線で外灯も少なくて暗い。

歩行者用道路もすれ違うにはカニ歩きをしなくては通れない狭さ。歩いてる人なんかいないけど。

バス停は狭い歩道の脇の暗がりにぽつんとあり、

僕は歩道に沿った民家のブロック塀に背中を持たれかけバスを待つ。

時刻表ではどうやらつい今しがたバスが出発してしまったよう。ツイてない。でもいつもそんなもん。

ずいぶんなスピードで幹線道路を走る車は、ヘッドライトで雨の筋と僕をぱあっと照らしては、

緩やかなカーブと下り坂をテールランプを引きずるように小さくなっていく。

見知らぬ郊外で夜に一人ぽつんといるのはとても寂しくなる。早くバス来ないかな。

電話を取り出してバッテリーが半分以下だけど電話をし、外界との繋がりにホッ。

そしてようやくバスがやって来る。

となりのトトロでサツキとメイがバス停でお父さんを待つシーンを思い出しながらバスに乗る。

バスの一番後ろの座席に座る。運転席寄りの窓側。

一番後ろの席の反対の窓側には学生ぽい女の子が浅く腰掛けて携帯を眺め、

その二つ前の二人掛けの席ではやっぱり学生風の男女が小さな声で話してる。

前の席ではオバサンと帽子を被ったおじさんがうつむく様に眠ってる。

乗り慣れない郊外の乗り合いバスに僕はソワソワする。

車内はなんとなく薄暗く、窓の向こうも民家の小さな灯が見えるくらいでほぼ真っ暗。

ほんとにこのバスは僕が行きたい場所に向かうのだろうか。

もしかしたらどこか知らない場所に連れてかれてしまうんじゃないのかしらと

不安とちょっとだけ連れてかれてもいいかなあなどと好奇心も沸いてくる。

バスは緩やかに走り、カーブを曲がり、下り坂を降りていく。

遠くに駅前の大きなショッピングセンターの灯りが見え、僕はホッとしたような

残念なような気持ちが入り混じりながら、目的地に向かっている安心感で

トロトロと眠くなる。

やっぱりネコバスに乗ってみたいなあと思いつつ44歳のオジサンである僕は寝落ち。

やがてハウリングする質のよくないスピーカーからお客さん終点ですのアナウンスで

僕はあわててバスを降りて駅前へ。大あくび。

そうだ、夜のローカルバスの旅を夏の終わりにしよう。


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2010.08.01 20:27 | URL | さらみ | 編集
2010.08.02 20:52 | URL | しん | 編集
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Author: 長谷川シン  
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