ストライクエニイホエア -Side B-
男三人に誕生日の歌を歌ってもらう。 
2009.11.18 Wed 21:00

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日曜日の朝六時。僕は仕事のために新宿歌舞伎町のはずれに車を停める。

ようやく朝日が顔を出し、空が白々としはじめ、新宿カラスがかーと鳴く。

仕事の時間まで少し時間があるけれど、僕は車から降りる。

ガードレールに浅く腰を掛け、ふうっと朝の空気を吸い込む。

辺りを見回すとさすが歌舞伎町なわけで、けっこうな人が歩いている。

長い髪で隠れて顔が見えないうつむいた女の子はコインパーキングの輪止めの縁石にぺたんと腰を下ろし、

どうやら泣いているみたい。短いスカートからダメージレギンスが痛々しく見える。

それをしゃがみこんで様子を伺う男の子。ケンカかな。

その脇をドカドカと若いホスト数人が大きな声で話しながらコンビニへ入っていく。

ホストってのはみんなスマートかと思ったら案外と太目の子もいるのだな。

コンビニから出てきた彼らは缶コーヒーとガリガリくんを交互に飲み食いしつつ

行き交う化粧の崩れた朝帰りの女の子に声を掛ける。「やあ、おはよう、ひさしぶり」

それを見事にシカトする女の子はヒールの音も高らかに

ケイタイをあごに引っ掛けるようにして誰かと繋がりを取りながら

かばんをごそごそと引っ掻き回し、派手なタバコ入れとライターを取り出し

派手なネイルをキラキラさせて火をつける。

僕が腰掛けたガードレールの後ろでは

朝からドンドンと腹の底に響くような重低音を轟かせる黒塗りの車が走り抜けて行く。

向こうから僕の方へ歩いてきたてろんてろんに酔っ払った若い男が

僕のすぐ目の前で頭からどーんとアスファルトに倒れこみ、

彼のケイタイがかっつーんと地面に転がる。

一緒にいたもう一人の若い男が「おまえ飲みすぎなんだよ」と担ぎ起こす。

大丈夫?と声を掛けると照れたように笑い、そしてまた手にしたケイタイをかっつーんと落とす。

大丈夫じゃねーなあ。

アジア系の旅行者団体がゴロゴロと旅行かばんを転がしながら

ずいぶん大きな声で日本語じゃない言葉を交わし歩いていく。

その横を茶髪で色褪せた黒のトレーナーの上下を着た、だいぶ歳のいった感じの骨ばったオバサンが

マルチーズを散歩させている。

そのすぐ後を腰に手を回し、絡みつくように歩く派手なデザインジーンズを履いた男二人。うはー。するの?したの?

ううむ、やっぱり朝の歌舞伎町は面白いなあ。朝なのに不健康な人だらけでハラハラしちゃうんだ。

危なっかしくてなんだかギリギリスレスレな感じがたまらないんだなあ。

こんな素晴らしいシーンだらけなのに、僕はカメラを持って来てなくて

そりゃあもう後悔しっぱなしで

次は撮影のために朝の新宿に来ようっと。

トラブルに巻き込まれませんように。


Zenza BronicaS2 NIKKOR-P 75mm F2.8 kodak TRI400


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Author: 長谷川シン  
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