
11月になってもなんだかあったかい日が続いて
昼休みの時間に仕事場近くの公園のベンチにどっかと座り込む。
背中で座るようなダレたカッコでぶへえっと欠伸をする僕の頭の上を
チョウチョが二匹舞っている。ツマグロヒョウモン。
ひらひらと絡まるように舞う蝶はやがて芝生の上に着陸して
どうやら愛の営みを。
お尻とお尻をくっつけ合って、羽をゆっくりと閉じたり開いたりを繰り返す。
おやまあ、チョウチョもお盛んですなあと、やんわりと眺めつつ、
はてさて、チョウチョってどのくらいの時間こうして愛の営みを続けているのかしらと
時計を眺めて時間をチラ見しつつ、チョウチョをガン見する。
5分、10分、まだまだ二匹はくっつき合ってヒラヒラと羽を羽ばたかせている。
なげーなあ、と思いつつもどうせここまで見たんだから、最後の最後まで見てやろうではないかと
僕はベンチの背もたれに腕を投げ出してデカイ態度で眺めるも
ぽかぽか陽気のおかげで、気がついたら居眠り。
気がついたら昼休みはとっくに過ぎて僕はあわてて立ち上がる。
投げ出した腕が正座した後の足のようにジーンとシビレてギクシャクしながら仕事場に戻る。
そう言えばチョウチョはどうしたんだろう。すっかり忘れて公園から飛び出した僕は
チョウチョの交尾を眺めては居眠りして、結末を見れなかった事に、とんだオポンチ野郎だなと
自分のくだらなさ加減に呆れて笑う。
でも大体こんなもんだよなあ。しょーもないことに興味があって
しょーもないことに時間を費やして、
しょーもないけれどそれが楽しいんだからいいや。